3歳のこどもが待てない 「ちょっと待って」が通じない
夕飯まであと15分。
フライパンの前に立つこちらの足元から「まだ?」。さっきも聞いた。その前も聞いた。「ちょっと待ってね」と返すたびに3歳のこどもはエプロンのすそを引っぱって、また「まだ?」。待てない声にこちらの返事もだんだん尖っていく。そんな夕方はありませんか。
火の前で手が離せないときに強い言い方になるのは当たり前です。言ってしまったあとで少し落ちこむところまで含めて、子育て中なら珍しくない夕方です。
先に答えを書きます。この場面の「ちょっと待ってね」だけではいつ終わるのかがこどもに伝わりません。そこで終わりの合図と待つあいだの役目をひとつずつ見える形にする方法を書きます。
家の「ちょっと」はどこで終わるかが見えない
大人にとっての「ちょっと」は炒め終わるまでと頭の中で決まっています。でも3歳の背の高さからはコンロの上のフライパンの中は見えません。この台所にはこどもの側から見える終わりの目印がどこにもないのです。
見えない終わりを何も持たずに待つ。大人に置きかえると到着時刻が表示されない電光掲示板の前で、スマホも持たずに立っているようなものです。
金曜教室では遊びの中に選べる場面がある
金曜教室ではメニューの中に選択肢を置いています。右のコースか左のコースか、難しいほうかやさしいほうかを、こども自身が選びます。BOXやマットを使う日は先生がそばで支えながらこどもが挑戦します。やってみるか今日はやらないかも本人が決めます。

大人が決めた時間をただ過ごすのでなく、その中にこどもが自分で決めるところをひとつつくる。この形なら家の台所でも借りられると考えています。
自分で選ぶこととやる気についての研究
心理学の自己決定理論では「自分で決めた」「できた」「仲間とつながっている」という感覚が内側からのやる気を支えると考えられています(Ryan & Deci 2000)。
選ぶ機会があると意欲が高まりやすく、その傾向は大人よりこどもで強い、という研究のまとめもあります(Patall ほか 2008・41研究)。ただその実験の多くは運動や待つ場面のものではありません。待てるようになる方法としてではなく、待つ時間に「選ぶ」をひとつ混ぜてみる理由として書いておきます。
3〜6歳を対象にした文部科学省の幼児期運動指針も、大人が一方的にやらせるのではなく、こどもが自分たちで考え工夫し挑戦できる関わりを求めています。
家でできるのは終わりを見せて手に役目を渡すこと
- 台所で「まだ?」と聞かれたら:炒める手は止めずに食器棚から出したお皿を1枚見せて「これにのせたら、ごはんね」と言う。終わりの合図をひとつだけ置く
- 待つあいだの役目を2つから選んでもらう:「お箸並べる? コップ並べる?」と聞き、選んだほうを待つあいだの役目にする
- スーパーのレジの列で:かごを持ったまま「前に並んでいる人は、あとふたりだね」と一緒に数える。ひとり進んだら「あとひとり」
これで待てるとは限りません。うまくいかなければ次の夕方は合図か役目のどちらかひとつを替えてみてください。
体験の日は保護者の方も見学しながら過ごしていただけます。どちらのコースにするのか、今日はやらないと決めるのか、お子さんが畳の上で何を選ぶのかをそばで見ていただけます。
金曜教室は毎週金曜の16時50分から17時50分、鈴鹿市武道館の第一道場で3歳から小学6年生までのこどもがはだしで遊びます。開講日や会場は変更になる場合があります。無料の体験はお申し込みのあとに日程を相談できます。ひとりで心細そうならお友だち・きょうだいと一緒でもかまいません。
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